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難しいケースを進めるにあたって ~檜原先生のスーパービジョンを受けて~

私は、2年前に臨床心理系大学院を卒業し、2019年1月から精神科クリニックでの勤務を開始しました。9月までは主に心理検査を行う業務をしておりましたが9月より念願であったカウンセリングを開始しました。教科書で学び、学生実習で臨床経験も積んではおりましたが、精神科クリニックでの臨床場面では、それまでお会いしたことのなかった病態の重い統合失調症やPTSD、解離性障害などの診断を受けたクライエントの方々と面談することになりました。

これらの方々に対して今までの自分の経験では歯が立たない感じを抱き、焦りを覚えておりました。その中でも解離性障害の方は、面接の進行に伴い、解離症状のために、日常生活の場面で時々記憶がない時間帯が生じていました。その結果、知らないうちに怪我をしていたことがありました。もしカウンセリングに起因して大けがにつながった場合、自分は責任を負えないと思い、カウンセリングの継続に迷いが生じました。

このケースでは、檜原先生から、人格交代の際には短時間眠ったような状態になり、危険が伴うため、解離を抑えるような介入が必要なことをご指導いただきました。現在その方針で面接を継続しています。カウンセリングのリスクにつながる重要なポイントに対して、豊富な体験からタイムリーかつ的確なアドバイスをいただけたことで、自分の方針が固まり、自信をもって面接を進めることができました。

また、PTSDの方のケースでは、覚えたての認知処理療法を応用しようとして、なかなか深い情緒体験に結びつけることができず、立ち往生しておりました。苦し紛れに昔自分自身が受けていたユング派の技法である夢分析を恐る恐る試してみることにしました。しかし、正式にユング派の訓練を受けていない自分が生半可な夢分析を取り入れて良いものか、迷っておりました。その時、檜原先生からは、夢を通して、クライエントとの間で良い情緒的コミュニケーションが取れ始めていて、クライエントは深い情緒体験ができ始めている。そのまま継続することに問題はない旨をご助言いただきました。そのご助言が大変自信になり、ケースの進展に希望が持てるようになりました。

以上のように、檜原先生のスーパービジョンでは、初心者である私が、実践の場で進め方に迷った際、道標を示して戴く灯台となっていただいております。今後も、多彩な症状を訴えるクライエントの方がたへの介入にあたり、お力を借してただけるものと確信しております。
2020年4月
A.K.さんより